清流苑の小集団活動                  

件名 「臭いのよ・・・・あの施設」


臭い対策プロジェクトチーム
     リーダー 佐藤美恵子(介護士)
            村上真佐美(介護士)
            羽崎幸弘 (介護士)
            浅利とくみ(介護士)
         内村子畝 (相談員)
            長沢則子  (相談員)
            山崎かね子(介護主任)

1.はじめに
 私どもの施設は開設三年目のまだ初々しい施設です。その為、職員も初めての介護職というものが多く、また、既成のとらわれが無い為に、まっさらの状態で日々「その人らしく生活して行ける場」を提供していけるよう励んでおります。しかし、何人かの職員は福祉に関する資格が無く就労していた為、社会福祉に関する知識やケアサービスに対する意義を学ぶ必要があると自己啓発し、自分自身の糧にしたいと思いを基に、7名がヘルパー二級に挑戦しました。その実習のなかで他の施設へ伺った際、その施設の職員の方々との会話の中で、「○○という施設は中にはいるとすごく臭うよね」というような会話になり、我が身を振り返ったときに自分の施設はどうだろうという思いになったそうです。そこで注意して良く臭いを嗅いでみると、やはり自分の施設にも臭いが有る事に気づきました。
 皆様方の施設では、どのような臭いが感じられますか?。それぞれのご家庭にも、それぞれの臭いがあるように、各施設においても、それぞれの臭いはあるはずです。そしてその臭いによっては、安らぎや安心感を感じられるということもあるでしょう。
 しかし、その臭いが人を不快にさせるものだったらどうでしょうか。

この、我が身を振り返った考えが今回の取り組みの発端となったのです。

2.原因の分析
 施設は生活の場です。どうしても臭いというものは発生します。そのなかでも気になるのは、@口臭、A体臭、B排泄臭ではないかと思います。
@口臭対策
 口臭は、協力歯科医との連帯を強化し、毎食後の「入れ歯洗浄」「うがい」「歯磨き」等の口腔ケアに力を入れているために、それほど気になりません。
A体臭対策
 
体臭は、ご希望があれば毎日でも入浴できる環境を創り、身体の清潔保持にも力を入れているため気になることはありません。
B排泄臭対策
 排泄臭は、リフレッシュルーム(オムツ交換室)を別に設けており排泄された方のプライバシーを守りながら、まわりの方々へも排泄臭を感じさせないようにしております。従って、オムツ交換時に排便の臭いが居室に充満することはまずありません。しかし、ポータブルトイレを使用している居室からは、排泄臭が感じられました。

原因
 ポータブルトイレを使用している居室から発生する排泄臭。

3.対策
 Act@ 最初に行ったのは「臭い対策プロジェクトチーム」の立ち上げでした。
  メンバー 排泄係4名・相談員2名・介護主任1名 計7名としました。
 ActAプロジェクトによる再調査
   ポータブルトイレを使用されている「人数の把握」「利用時間」「利用回数」を調査しました。
  その結果、大半の方は日中はトイレを使用されているため、ポータブルトイレの使用は夜間に集中している事が分かりました。ただ、夜間は夜勤者2名しかおらず、ポータブルトイレをこまめに洗浄することは難しい状況にあります。
 ActB 消臭材の選択
  消臭材として、我が西木村の特産でもある木酢液に着目いたしました。
木酢液とは、木炭を生産する際に生じる煙を自然冷却し、それによってできた水滴を半年以上静置した後、軽油質、タール分を取り除いたものです。効果として下記が認められております。
  
a)健康面での効果
   b)自然環境面での効果
   c)消臭、殺菌面での効果
などが挙げられます。
 今回はこの木酢液のもつ消臭、殺菌面での効果に着目しました。着目理由は、化学物質を含んでいないために自然にもやさしい=人にもやさしい。芳香剤と違い、臭いをもとから消してくれるので臭いが混じる事が無い。何倍にも薄めて使用するので低コストである。地元西木村の特産物であると言う事です。

4.対策の実施
 木酢液を使用するにあたり様々な試行錯誤と供に、効果を実感することができました。
 @ 木酢液を原液のまま、洗浄後のポータブルトイレに使用してみる。
  結果 あまりにも木酢液の原液の臭いが強すぎ、特有の焦げ臭さが充満しNG。
     試行錯誤の末、水、1000:原液1の割合で使用することとする。特有の臭みが消えた。
 A 約5年以上使用し、クリナーの臭いが充満し、黒ずんだ汚れの目立つポータブルトイレへ使用してみる(薄めた木酢液を入れ一晩つけ置きする)。
  結果 クリナーの独特の臭いが消え、黒ずみも気にならない程度に薄くなった。
 B 更なる効果と原因の撲滅。
  1).現在使用しているポータブルトイレに常時薄めた木酢液を入れておく。
  2).床、冷蔵庫、車椅子等の掃除時に木酢液を浸した水で雑巾掛けをする。
  3).居室でのオムツ交換後に霧吹きにて木酢液を散布する。
  4).丸洗い不可能なベットマットレスへ霧吹きにて木酢液を散布する。

5.実施後の効果
 @
居室内、施設内に施設臭が漂うことがなくなった。
  A以前に比べ、ポータブルトイレを使用する際、同室者に対し気兼ねすることが少なくなったとの声が聞かれた。
  B職員の臭いに対する意識改革になり、対応が頻繁になった。

6.使用方法
 まず、木酢液を使用するにあたり、原液のままでは使いません。なぜならあまりにも臭いが強く、排泄臭が消えても木酢液の臭いが強烈に残ってしまうからです。そこで、水で薄めて使用するわけですが、試行錯誤のすえにたどりついたのが、原液1に対して水1000の割合という数値でした。ここまで薄めても効果は充分にありますし、濃すぎても逆に木酢液の臭いが残ってしまうからです。使用方法としては、使用後のポータブルトイレをよく洗浄した後、薄めた木酢液をいれておきます。そうすると、その後排泄された場合でも、排泄物の臭いを消す消臭効果と殺菌効果があり、居室内に排泄臭がただようことはまずありません。また、霧吹き等に薄めた木酢液をいれ、居室内等で臭いが気になる箇所に随時吹きかけるようにしてみました。その結果、居室内をはじめ、施設内に排泄臭がただようことがなくなりました。その後、面会やボランティア、視察等で訪れる方々をはじめたくさんの方に「臭いのしない施設だね」とおっしゃっていただくようになってきており、外部の方々からのご意見、ご感想が効果のほどを実感させてくれました。また、ポータブルトイレを使用されており、それと同時に進んで施設内の清潔保持に努める姿勢が以前にもましてみられるようになりました。また、ポータブルトイレを使用されている方々からも排泄後の臭いが気にならず、同室者への気遣いもあまりしなくてすむようになったとの声が聞かれ、それが一番の収穫(スタッフの喜び)でした。

7.おわりに

 私どものような施設では紙オムツをはじめとする莫大なゴミや汚水など、環境に良いとはいわれないものを毎日たくさん排出しております。そのため施設内の清潔を保つ材料のひとつとして、化学物質を含まず、自然と人に優しく、また地元西木村の特産である木酢液を使用することは、これからの施設のありかたを考えていく上で大きなヒントとなったように感じます。今後も、利用されている方々「一人一人がその人らしく」快適に生活してゆける場を提供していくため、また利用されている方々、家族、地域の皆様から愛される施設をめざし、職員一同いっそう努力をしてまいりたいと思います。
                                                以上

第10回小集団活動発表会にて・・・・・